愛知電機株式会社 粉体機器

よくあるご質問
(ロッキングミキサーシリーズ)

ロッキングミキサーの特徴は?(その1)

粒径差・比重差のある粉体でも、バッフルが手の役目をし、斜め前にかき上げる事により、カプセル内を横8の字に描きます。そして拡散混合と移動混合を同時に行い、ソフトに混合できます。

ロッキングミキサーの特徴は?(その2)

  • 粉粒体にシェア(力)を加えずに、粉の流動性(安息角)を利用し拡散移動しながらソフトに混合します。
  • 機械構造面では4車輪の上にカプセル(容器)を載せて回転・揺動させる機構でカプセルが容易に着脱できます。また、装置はシンプルな構造です。

ロッキングミキサーの特徴は?(その3)

ソフト混合です。造粒物、顆粒など壊れやすいものを粉化(壊さずに)混合することが出来ます。逆に凝集物は壊れないため混ざらないことがあります。凝集物解砕方法としては金網、粉砕メディア投入、高速回転羽根(強制攪拌)で解消できます。

比重の重い原料を混ぜたいのですが対応可能ですか?

ロッキングミキサーは高比重仕様を用意しております。混合原料の容量と嵩比重に合わせて装置を設計しますのでご心配はいりません。1バッチ処理量(kg/L)と嵩比重(kg/L)を確認願います。

装置を設置する部屋の天井が低いのですが?

ロッキングミキサーは容器横型回転式ですので、縦型回転式に比べ装置の高さは低い設計となっております。さらに大型機種については低床仕様(LHシリーズ)を用意しております。まずは装置の設置スペースを確認願います。

粉体を加圧処理したいのですが?

第1種圧力容器を搭載したRAV-SJ1型があります。この機種1台で混合、液添加、加熱・冷却、加圧・減圧処理が出来ます。ジャケット(2重缶)容器に熱媒体(蒸気・温水)を循環させて加熱し、冷媒(冷水・水道水)循環により急速冷却も可能です。防爆対応仕様で、粉体の反応、滅菌・殺菌処理が出来ます。

混合状態が悪い

粉の種類によって運転条件を変える必要があります。特に流動性が悪い粉の場合は、回転数を速くするか揺動数を遅くすれば解決されます。

酸化防止はできるの?

容器は密閉構造ですので、不活性ガスなどの置換で酸化防止による処理が可能です。

(凝集物)がある粉体も混ざりますか?

標準タイプでは厳しいと思われます。従いまして、塊がある場合は解砕機能付やメディアを入れてシェア(力)を加え混合するタイプをお勧めします。

凝集物(ダマ)をほぐしながら混ぜたいのですが?

ロッキングミキサー(RMシリーズ)はソフト混合ですので凝集物(ダマ)をほぐす能力がありません。弊社には解砕機能付混合機(RMDシリーズ)があり、解砕羽根を高速回転させることにより、混合と凝集粉体の解砕を同時に行なう事が可能です。解砕羽根はインバータ制御により速度調整が可能です。着色原料の混合にも適しています。

安全対策

危険箇所に挟み込み防止などの警告シール(PLシール)を張っている以外、標準的な安全対策というものはありません。安全対策はユーザーによってまちまちでユーザーの社内規格に準拠してものを作らなければならない場合も多いです。製作実績としては、安全柵(混合機全体を囲い柵が開くと混合機が緊急停止するものから、回転車輪や揺動車輪に近づかないようにするための簡単な柵を側面につけるものなど)や揺動台挟み込み防止シートなどがあります。

ロッキングミキサーと命名されている理由は?

ロッキングとは英語で揺れるという意味ですが、揺動回転の揺動は日本語であまりなじみのない言葉です。そのため、この方式で作られた粉体機器も少なく、今ではロッキングミキサーと言えば、愛知電機の混合機だと業界では名前が知られています。

個別の具体的な用途例

  • 単純混合:ふりかけ、粉ミルク、調味料、セラミックス
  • 調湿混合:プレス成形用フェライト・セラミック
  • 加液混合:インスタントコーヒー、紅茶・茶葉
  • 解砕混合:砂糖、食塩、小麦粉、顔料
  • 加熱混合:異種金属、異種材料(セラ+樹脂)
  • 加液+加熱:磁石材料、電池材料、高機能樹脂
  • 乾  燥:樹脂、電子部品・電池材料、食品
  • ボールミル粉砕:セラミックス

排出時はブリッジしないのか?

ブリッジしません。V型、Wコーン型は、安息角が大きい(流れが悪い)粉体の場合、バルブを開いた時、ブリッジ現象を起こして出てきません。逆に、安息角が小さい(流れが良い)粉体の場合、一気に出てきてコントロールが難しく、また、粉塵も発生し易いです。

カプセル内面処理の種類は?

バフ研磨仕上げの他に、電解研磨仕上げ、テフロン・ナイロン・ウレタンのコーティングおよびライニング。ゴムライニングが可能です。

粉体の付着対策は、どのようなものがありますか。

テフロンコーティングとノッカーを使用します。テフロンコーティングは、200ミクロンぐらいのものが、主流です。用途により各種あります。ノッカーによる方式も、かなりの効果があります。両方使用する場合も多くあります。

装置をスケールUPして混合性に影響はありませんか?

混合物、配合比率、投入率、投入方法、回転速度(周速)を同じ条件で混合すれば、装置をスケールUP(DOWN)しても、混合性・混合時間は同じです。将来、処理量が増減しても安心してご使用できます。

他社との違いは?

容器回転型の混合機V、W形混合機とくらべると最大全容量が実績上10000Lまでの実績があり優位にたっています。混合特性でもV、W形混合機と比べると比重差のあるものが混ざりやすいです。金属など高比重の混合では他社混合機と比べても勝っているため得意分野です。

ロッキングミキサーの消耗品は何ですか?

購入後、一番最初の寿命はパッキン類です。標準300L機を例に取ると、Ø200の小蓋パッキン、Ø350の中蓋パッキン、Ø600の大蓋パッキンの3つがありますが、小蓋パッキンと中蓋パッキンはシリコンスポンジ製で、大蓋パッキンのシリコンゴムより早く劣化するかもしれません。それでも1年以内に交換することにはならないと思います。先日1回目の定期検査を購入15年目に始めてやられたお客さんが、部品を何も交換していなく、パッキンが固くなったからこれを機会に替えられました。パッキンの次に寿命が来るのが、揺動車輪。これもカプセル内に比重の重いものを入れ、仕様ギリギリで使っていると、揺動車輪に負荷が掛かり、早く亀裂が入ったりします。しかし、こんな使い方をしていても5年以上は何ともないと思います。次に回転車輪、これは4輪でカプセルを支えているため、付加が分散されますから忘れた頃に交換位のレベルです。消耗品としてはこれぐらいです。

メンテナンスする必要があるところは。

カプセルの大蓋、中蓋、小蓋のパッキン類が多いです。回転、揺動用チェーンの給油、張り直し、揺動用減速機のオイルの交換等。回転車輪、揺動車輪は、メンテ期間は長く、数年の場合もありますが、使用する粉体によっては、1年ぐらいの時もあります。

ロッキングミキサーでコーティング処理は出来ますか?

液添加機能の付いたRML型は粉体混合中に液(溶剤等)を添加する事が可能です。粉が流動した状態で液(溶剤等)を定量噴霧しますので、粒子に対し均一なコーティング(液添加)が出来ます。コーティングの他、表面処理、含浸、造粒、調湿処理も可能です。

ロッキングミキサーで水分調整は出来ますか?

RML型は1流体ノズルによる加液、RMW型は超音波加湿器により発生させた霧の流通により粉体の含有水分率を調整する事が可能です。粉体の成形前の水分調整や粉体の飛散防止(粉じん対策)に有効です。

粉体の液添加方法は、どのようなものがありますか。

加圧タンクから押し出す、1流体ノズルが一番多いです。ほかに、2流体ノズルと言って、エアーと液と混合しながらする場合もあります。また超音波加湿器からの水蒸気による水分調整や、ボイラーの生蒸気を投入する場合もあります。

混合機の自動化対応は?

カプセルを載せたままの自動化、カプセルを着脱しての自動化を提案できます。カプセルを搭載したままの自動化は、単一製品で比較的生産量が多い処理工程に最適です。またカプセルを着脱しての自動化は、製品が多品種にわたる場合製品の切替を容易にする事ができます。更に、前後工程のご提案もできますので、営業担当者にご相談下さい。

粉体を加熱乾燥する事が出来ますか?

加熱機能の付いたRMH型があります。容器を回転・揺動させながら加熱します。粉体が流動している状態で加熱しますので、粉体を温度ムラなく加熱出来ます。カプセル表面温度(~150℃程度)、加熱時間を任意に設定でき理想的な処理が可能です。1台の装置で加液混合後に乾燥処理をする事も可能です(RMHLV型・RMHLV-SJ型)。さらに凝集した粉体をほぐす解砕機能を付加した複合機種も用意しております(RMDHLV型)。

  • RMH型:遠赤外線ヒータ加熱方式
  • RMH-SJ型:蒸気・温水循環加熱方式(加圧・防爆対応)
  • RFD型:温風流通加熱方式(流動層温風乾燥)

加熱機能付き混合機は、何度ぐらいまで加熱出来ますか。

通常の加熱型は、表面温度150℃まで対応できます。これ以上になりますと、高温型の加熱混合機で対応します。表面温度は、400℃まで対応可能です。その他二重管カプセル仕様では、温水:90℃、蒸気:130℃まで対応可能です。

乾燥方式は、真空乾燥のほかにどのようなものがありますか。

温風を送り込み乾燥させるタイプがあります。カプセルを20度くらいに傾斜させて、下から温風を送り込み乾燥します。回転で流動層を作るため、小風量で乾燥運転が可能です。

加熱乾燥の要点

粉体テストで多いのは加熱乾燥テストです。電気ヒータ式が最も手軽ですが、防爆仕様であったり、工場に熱源としての蒸気が引かれているユーザーの場合は、蒸気加熱式(ジャケット式)を検討されます。脱気しながら乾燥する目的は、乾燥時間を早めることと、温度を上げないで乾燥させられることです。

防爆仕様はありますか?

あります(EXシリーズ)。貴社使用条件・使用環境に合わせた装置を設計します。加熱機能付きの機種は、ジャケットタイプのカプセルに媒体(温水・蒸気)を流通させて加熱します(SJ/EXシリーズ)。容器内に不活性ガスを置換・流通させる事も可能です(Vシリーズ)。

  • 電動機:安全増防爆型(eG3)、耐圧防爆型(d2G4)、粉塵防爆型
  • 制御関係:本質安全防爆、耐圧防爆、内圧防爆

粉砕には使える?

使えます。乾式粉砕工程にメディアを入れた衝撃粉砕機(ボールミル)としてご使用頂いています。また、粉砕混合で精密混合の用途で活躍しています。

微粉でも混ざりますか?

弊社には微粉混合機(RFMシリーズ)があります。解砕羽根付混合機RMD型の2倍の速度で解砕羽根が回転します。微粉混合の他、凝集性の強い原料の混合にも適しています。シール部構造は異物混入対策、摩擦軽減による長寿命化を図っています。

製薬におけるカプセルの仕様は?

  • 一般製剤…材質SUS-304、内面羽布研磨#320、ビードカット、外面羽布研磨#220、全周溶接
  • 無菌製剤…材質SUS-316L、内面羽布研磨#320、ビードカット、外面羽布研磨#220、全周溶接

一般製剤でも洗浄に希塩酸を使用する場合は、SUS-316Lにします。SUS-304は、希塩酸でさびます。

医薬品向けの仕様はありますか?

医薬品・食品工場のクリーンルームに設置する、交差汚染防止仕様のGMP対応機種があります(サニタリー仕様)。医薬品バリデーションに対応し、装置はALLSUSで接粉部は#320溶接部ビートカット仕上げです。蓋構造はヘルールクランプ式です。

サニタリー仕様とは?(カプセル)

サニタリーとは“衛生的な”の意味があり、食品や医薬分野に向けた仕様となっています。代表的な仕様としては下記のようなものがあります。

  • 溶接の肉盛(ビード)をカットし、なめらかなRをつける
  • 研磨レベルを上げる(#220→#320)
  • 電解研磨処理を施す

バリデーションとは?

工程や方法を科学的根拠を持って設計し、初期の目標どおり機能していることを検証することです。医薬品の品質管理基準であるGMPではバリデーションを行うための手順書の作成を定めています。混合機としては、ユーザーがバリデーションを行うことができる仕様となっている事が必要です。例えば、回転数や揺動数ななどの運転条件が明確にでき、再現性が保てるようデジタル式のものを選定するなどが必要となります。またIQ(据付時適格性検査)やOQ(運転時適格性検査)の書類の提出と検査の実施を求めらます。

医薬向け混合機とは?

回転車輪からの発塵をなくすため、回転車輪レスとした混合機です。軸受には低発塵性のグリスを封入し、モータからの発塵は筐体による囲い込み及びダクトからの吸塵ができるようになっています。カプセルは分解清掃しやすい構造とし、#320以上のバフ研磨を掛けた後、電解研磨を施しています。

カプセル台車とは?

カプセルを下ろして、洗い場に持っていく時などに使う専用台車です。キャスターで受け台車上でカプセルを回転させられるものが多いです。台車に傾斜をつけて洗いやすくしてあるものもあります。

第1種圧力容器対応混合機とは?

蒸気を使用して直接的に固体あるいは液体を温める容器において、体積・圧力積がある値を超えると「第1種圧力容器」の適用を受けます。混合機のカプセル内に直接蒸気を入れたり、圧力のかかった窒素ガスを封入した状態で、ジャケット内に加熱のための蒸気を入れたりする場合は、第一種圧力容器扱いとなります。第1種圧力容器には様々な規定がありますが、これらの規定をクリアし、愛知県労働局の認可を初めて受けたものがテスト機のRALC-40(SJ1)です。型式認可ではありませんので、受注のたびに認可が必要となりますが、実績ができたことにより次回からの認可がとりやすくなると思われます。